2021よかった本

 コロナの影響で、学会で遠くに出かけたり海外研修に行ったりして学校のお金を使うチャンスが全滅し、しかし修了までにできるだけ学費の元をとりたい(単純に授業をとれって話)という思いから、2021年はたくさん大学の図書館の本を借りるようにした。結果として、例年より多く本を読めたので、特によかった本を振り返ります。こういうのは年が明ける前にやるものですが...

 

Amazon.co.jp: 羽田圭介、クルマを買う (WPB eBooks) eBook : 羽田圭介: 本

車の会社に行くことになり、けど車のこと全然知らないので、まずは読み慣れている羽田さんの本なら...と思って読んだ。羽田さんが数々のディーラーをめぐり何台も試乗を経て車を買う。大きな展開があるわけじゃないけど、人が悩みながらものを選ぶときの頭の中が覗けたみたいで面白かった。自転車でディーラー行くのとか、アポ無しで試乗しまくるのとか、羽田さんの臆せず大胆な行動できるところが好き。

 

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書) | 小川 さやか |本 | 通販 | Amazon

下からのグローバル化=効率化のために労働者を切り捨てず無数の雇用を生み出す、知識や技能を独占せずに共有する、経済が水平なネットワークで動く

常に計画を立てて将来のために今を消費するような生き方は、日本のように整えられた社会だからこそできることで、でも確かにやりたいことをやりたい時にやる、という気持ちを制限している部分があるから、この生き方に縛られなくてもいいのかなと思った。Living for Todayの考え方はアナキズムとも繋がるかもと思った。

 

ポトスライムの舟 (講談社文庫) | 津村 記久子 |本 | 通販 | Amazon

鬱屈とした日常を抜け出すための作戦が毎日を続けていく原動力になる。けど、日常に向き合うことをもう少し続けてみようかな、と思うような出来事もある。私も含めて多くの人の暮らしがこういうことの繰り返しだと思う。津村さんの本はどれも好きだけど、この本はとくに勇気をくれて好きな作品だった。ポトスライムの描写を始めとして全体的にさわやかな印象がある。主人公の周りの女性たちが素敵!こんな友達が欲しいな

 

くらしのアナキズム | 松村圭一郎 |本 | 通販 | Amazon

"いまアナキズムを考えることは、どうしたら身の回りの問題を自分たちで解決できるのか、そのためになにが必要か考えることでもある。"

2021は政治について考えることも多かったが、為政者を監視する、選挙に行く、くらいが具体的に政治に関わる手段とされていて、でもそれだけじゃなくてもっとあるよな、と思っていたのでこの本に納得する部分が多かった。国という大きなシステムを変えようとするだけでなく、自分の身の回りの問題にできるだけ自分で対処するという意味でアナキストでありたいと思った。でも一方で伊藤野枝みたいなバチバチアナキストもかっこいいよネ!

 

以下の3冊は2021キタカガヤフリーで勝手にやらせていただいた「おすすめ大阪本3選のコーナー」でも紹介しました。

大阪 | 岸 政彦, 柴崎 友香 |本 | 通販 | Amazon

外から大阪に来た岸さんと大阪で育った柴崎さんの交互のエッセイ。柴崎さんも書いているように、自分が大阪(全く縁のない土地)に住んでみて良かったのは、自分の地元と同じような人がいて、同じような日常があるということをちゃんと知れたことだと思う。

 

仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう (ちいさいミシマ社) | 仲野 徹 |本 | 通販 | Amazon

医学部の仲野教授の本。生命科学図書館で借りた。地理、文化、歴史、あらゆる方向から大阪を考えることができて楽しい。が、ゆるい対談で、主観的なイメージから語る部分も多いのであまり全部を真に受けなくてもよさそう。大大阪時代の関一の都市計画の話、大阪のおばちゃんはある種の女性解放だという話、関西私鉄をつかむキーワードの話が面白かった。

あと仲野先生総長選落ちてしまって残念!いつか総長になってほしいです。

 

すごいぞ! 私鉄王国・関西 | 黒田一樹 |本 | 通販 | Amazon

上の本を読んで買った。確かに関西の私鉄はそれぞれに個性があって面白いな~と思う。

発車案内機や発車時のアナウンスなど、鉄道を好きな人が注目しているディテールが分かるので、いつも何気なく乗っている各私鉄のみかたがちょっと変わって面白い

 

あと、本屋にもよく行くようになったが、ビジネス本、自己啓発本、料理の本、あとは文庫の小説ばっかりだな〜と思うことが多い。本は読めば読むほど本屋から読みたい本がなくなるのかもしれない。需要に合わせて入荷してるだけだからしょうがないけど、でも地元の浦和の本屋には、チェーン店ながら手書きのポップがたくさんあって陳列が工夫されてたり、まんべんなく幅広いジャンルの本が置いてあって、そういう本屋さんを応援するためにも、これからできるだけ書店で本を買いたいなと思った、社会人になるし。amazonのリンクばっかり貼ってしまいましたが...

 

gosig golden

 IKEAの家具付き物件の販促のために、もともとただのサメのぬいぐるみだった”BLÅHAJ”が、エージェントとしていきなり着ぐるみになって動き出し、twitterで喋り始めた*1。期間限定らしいのでいつまで続くかわからないけど。それで、私が溺愛しているgosig golden(IKEAで売っている、ゴールデンレトリーバーのぬいぐるみ)で同じことが起こったらだいぶ辛いな!と思った。

 うちにはてん、わん、らくという3匹のgosig goldenがいて(厳密にはうちと、実家とばあちゃん家に一匹ずつ)、ペットというか、家族だと思っているし、それぞれちょっとずつ性格が違うと思っている(という設定にして接している)。ただこんなふうにわんこ狂いなのは私だけでなくて、SNSで"gosig golden"で検索すると、私でもドン引くくらい色々な服を着せ替えて、ペットor家族のようにどこにでもわんこを連れて行く世界中の飼い主(持ち主)の姿が見られる。

 なぜこんなに飼い主がgosig goldenを溺愛してしまうのかって、ふわふわで姿がとても愛くるしいからなのですが、そもそもなんのキャラクターでもないことがポイントなんだろうと思った。あらかじめこの犬の性格もプロフィールも設定されることがなく、売り場ではただ”ソフトトイ”として大量のわんこが無造作に積み上げられているからこそ、購入された後に各家庭で微妙な縫製のされ方や手触りの違いから性格が設定されて、一緒に過ごすうちに一匹一匹代替不可能な個体になっていく。

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無造作に積み上げられるgosig golden

 一方でたとえばミッキーマウスの場合はそうはいかないだろうなと思う。ミッキーは”ミッキーマウス"としての人格を持っていて、特有の動きや喋り方やストーリーがある。その場合にはミッキーマウスのぬいぐるみというのは、動かないし喋らない、単に"キャラクターとしてのミッキーマウス"の下位互換のコピー品ということになってしまうし、既に固定されたミッキーの人格というものがあるわけだから、一つ一つオリジナルな個体として認識することが難しいのではないかと思う(本家全無視でオリジナルの人格を設定して愛でている人も沢山いると思うけど!)。で、オリジナルな個体じゃないものに対して家族のように愛着を持つのは多分難しい。それに派生する話としてダッフィーやシェリーメイは誕生したときのストーリーを持っているし、着ぐるみとなって動きはするけれど、あくまで最初から”ぬいぐるみ”だからこそあんなに売れて各家庭で可愛がられたのかもしれない。

 だから、結論としてはこれまでと同じように各家庭で唯一無二の家族としてわんこを可愛がるために、IKEA側にはなるべくgosig goldenをキャラクター化しないでほしいわけ。よろしくお願いします!

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てんとわん

 

 

10/31

 好きだった千里中央の純喫茶ニューブラジルが閉店して、チキン屋になるらしい。純粋に悲しいし、2021年の大阪っぽい出来事だなと思った。ニューブラジルは48年間営業していたらしい。次にできるチキン屋はどれだけ続くだろう。

 好きだったからといって、定期的に通って店の存続を応援していたかと言われるとそうではない。最後に入ったのはたぶん3年前くらいで、そこで食べたパフェやコーヒーは美味しかったけど、おそらく常連のおじさんたちが吸う煙草の副流煙がもくもく(純喫茶あるある)なのが嫌だったのと、チェーン系カフェと比べたら居心地含め割高だったことなどから、積極的に入ろうとしなかった。結局「好きだった」といっても通りかかるたびに「純喫茶がある街って、いいな♪」的に外見を愛でていただけの部分が大きい。景観は守りたいけど、機能としては他と比べてベストじゃない(自分には合わない)ようなもの、自分にはどうしようもないのか

11/11

 最近は就活の分野でも女子学生のためのなんちゃらという冊子を配られたりイベントに声をかけられたりするようになり、本日は大学主催の理系女子学生のみの企業との交流会があった。

多様性を保つためにポジティブアクション的に入れてもらうこと、時代的には正しいことなんだろうけど、ときおり、自分はお情けで仲間にいれてもらっているだけで、本来満たすべき基準値に達していないのかもしれないと思ってヒヤっとする。そんな考えが頭をよぎらなくなるくらいとりあえずはいろいろ頑張って自信を持てるようになりたい。

into the sunlight

  朝井リョウさんがプロレスのデスマッチを見にいって、額から血を流して戦っているレスラーを見て「本物」だと思った、懺悔をしているような気持ちになったという話をしていた*1。作家というのは推敲に推敲を重ねて自分が見せたいと思う作品を作り上げ、100点の状態で世に出しているわけで、拙い表現でも全力を出しきり、人前で自分自身をさらけ出すという機会があまりない。だからといってフェイクなわけじゃないんだけど、リングの上で血塗れになっているレスラーをみて、「自分はこんな風に小説を書いているだろうか?」と自分に問いかけたという朝井さんの気持ちは、少し分かるなあと思った。

 私も普段家で作品をポチポチ作り、自分が思う「完成した状態」で曲を人様に聴いてもらっている。特にこれからしばらくはそれが活動の中心になるだろう。一方ライブでは、その時自分がもっているだけの実力が顕になる。ミスは隠せないし、鈍臭い場面もある。そしてその瞬間の自分の姿は自分で絶対に見ることができない。そういう意味で、ライブというのは結構怖い場所だけど、だからこそ光るものもある。自分の活動においては思い通りのものを時間をかけて作り上げることと、あるがままの自分で実力を晒すこと、どちらが偉いというわけではなく、両方のバランスが大事で、しかし、なかなか外から人前に立つ機会を与えてもらえるわけではないこれからは、その両者のバランスを自分でとっていかなければならないなと思う。

 コロナウイルスが蔓延する以前の生活では、ライブは定期テストみたいなものだったなと思う。ぶっちゃけライブの日程が近づいてくるとプレッシャーを感じて胃がきりきりしたり、ライブセットがなかなか決まらなくて焦っていたりしたものの、1〜2ヶ月ごとに人前に立つ機会があったことで、試しに組み込んでみた作りかけの曲が好評だったり、緊張で指が動かなかったり、自分の音楽で意外と踊ってもらえるんだなと思ったりして、部屋でパソコンに向かっているだけではわからない気づきを定期的に得られた。それを普段の曲作りにフィードバックしながら、少しずつ、やりたい音楽をやれるようになっていくサイクルが働いていた。ライブがすっかりなくなった4~5月はそのサイクルが崩れてモチベーションが上がらず、うまく曲を作れなくなっていた。そのかわり、実家で野菜を植えたり散歩に行ったり、爺と麻雀をしたり韓国語の勉強を初めてみたりと、こんな状況でもなければできないことができて、それはそれで楽しい日々だった。

 

 曲を作るというのはゴールが見えにくいから、一人だといつまでもだらだらと曲を作り続けてしまう。それに区切りをつけてリリースをするには自分以外に関係者をつくる(アートワークやwebをお願いする)のがいいということを前回アルバム「朗らかに」を作った時に学んだ。関わっている人がいれば締め切りを決めて前に進まざるを得なくなる。今回のリリースでは曲が7割ほど完成した状態の、まだ割とふにゃふにゃの状態で松井さん(マ.psd)に声をかけ、ジャケットを作り始めてもらった。普通は曲が完成してから曲のイメージなどを伝えて作っていただくんでしょうが、今回は作りかけの状態から、松井さんと曲について話したり、解釈やラフのアイディアをもらったりしながら、段々自分の中で曲の全体像をつかみ仕上げていくことができた。松井さんとしてはもしかしたらやりにくかったかもしれないが、こんな作り方もありだなあと思った。普段の曲作りでも、おおまかには作詞・作曲→録音→ミックス→マスタリングという工程を踏んでいくけど、自分一人で家で作っているのだからきっちりリニアである必要はなくて、ドラムとベースしか固まっていないようなデモの状態で録ったテイクを採用することもあるし、歌い方・吹き方を試しながらアレンジを考えたりしていて、こういう柔軟な作り方ができるのは、宅録というか、ほぼ全部ひとりで、小さい規模で作っていることの強みだなあと思う。

 

 最近は寂しい気持ちに捉われることが多い。寂しさがやってくると、一気に50歳くらい歳を取ったように感じて、体がどっと疲れてしまうし、虚しくて何をするにもやる気が出なくなってしまう。こういう寂しさは、勉強や、研究や、音楽とか、どんなに身の回りのことがうまくこなせていても定期的にやってきて、寝たり、しばらく時間が経てば忘れるけど、この先も一生死ぬまでこの気持ちを抱えて生きていくのかと思うととてもしんどい。低気圧による不調というのが本当に存在するのか分からないけど、ここ最近は続く長雨で本当に気持ちが参ってしまって、この寂しさ・暗さからなかなか抜け出せないでいる。この曲を作り始めた当初は早くみんな外に出ていけるようになるといいね、なんてふんわりした気持ちで”intothesunlight”というタイトルをつけたが、段々マジで晴れてもらわないと困る、なんとしてもこの鬱々とした気分を抜け出して明るくならないといけない、という気持ちで作っていた。

 

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Bandcamp: https://yunovation.bandcamp.com/album/into-the-sunlight

streamings: https://linkco.re/E0nNpSAY

 

新曲into the sunlightはバンドキャンプおよび各種ストリーミングサービスでお聞きいただけます。ぜひよろしくお願いします!

 

*1:2017.02.03 真夜中のニャーゴ

7/15~7/20

7/15

 夢の中で、学校らしい建物の廊下をずんずん歩いている。やがてドアを開けて外に出るとひらけた草原で、草原のなかにポツンとごはん屋が建っている。昼休みで外に出ている他の学生(のような人達)と一緒にずんずん歩き、昼ごはんを食べにその店に入った。木造りで落ち着いた雰囲気の店だった。メニューにはでかでかと山椒のカレーがおすすめと書いてあり、ではそちらを頂いてみましょうと店員のおばさんに注文を伝えるんだけど、なぜか伝わらない。目をかっちり合わせて何度も山椒のカレーで、と言ったのだけど受け取ってくれなかった。

 というわけで結局夢の中で山椒のカレーは食べられなかったんだけど、起きてからもこの夢のことを覚えていた。山椒のカレーなんてそもそもあるのかいなと思って調べてみると、和風だし仕立てのキーマカレーとしてのレシピがいくつか出てくる。今までカレー用スパイスなんて揃えたことがなかったけど、せっかくなので、クミン、カルダモン、ターメリックと買い揃えて、去年の春からずっと冷凍庫の奥に眠っていた実山椒を大量に入れて、初めてスパイスからカレーを作ってみた。 

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美味しかった。いままでスパイスカレーに凝る趣味のことがよくわからなかったけれど、確かにこれはハマりそう。

 GABAのよく眠れるチョコを食べた直後にコーヒーを飲んだりして、寝たいのか起きていたいのかよくわからない。一度布団に入るも1時ごろ起きだし、結局5時ごろまで曲を作っていた。この時期は毎年よく眠れない。

 

7/17

 注文していた柴田聡子さんのZINEが届いた。新しいEPのリリースに合わせて制作日誌のZINEと、ラジオ的にyoutubeで話をする企画をやっている。

柴田聡子さんは曲を聴いていると、身軽で、自由闊達に言葉を使っていて、それこそ「朗らか」な性格なんだろうな、というイメージがある。けれど制作日記を読んでいると、外からの勝手な印象以上にガッツを大事にする人で、慎重に一つ一つ作り進めていく人のよう。寝過ぎてしまって録りが進まなかったり、閃きにうっとりした次の日には出来が悪く聞こえて落ち込んだり、所々これは自分だ!と思うような場面もあった。そういう、ものを作っていく過程の機微に共感できるようになっただけでも曲を作るようになってよかったなと思う。すごく気に入って、二回目は音読した。

 植本一子さんの日記もずっと読んでいるが、やっぱり人の日記を読むのは好きだな。自分も日記をつけたいと思うし、その日にあったこと、思ったことをその日のうちに残しておくのは大事だとわかっているけど、何事も習慣づけるのが苦手で続かない。今回も1週間かそこらで途切れちゃうだろう。

 

 

7/18

 出町柳に向かって友達と会った。駅を出て、とても久しぶりの晴れだったのでデルタに降りて川を渡ったり、鴨川沿いを歩いたりした。カエルが鳴いていて、川の水の磯の匂いがしてとても気持ちよかった。

どこでご飯を食べるか悩む。この辺りでブータン料理が食べられることを聞いていて、そこもいいなあと思って調べたところ、毎曜日朝昼晩交代で違うお店が入っているシェアカフェらしい。ちょうど土曜の夜は台湾食堂で、少し離れていたがそこへ向かうことに。とても雰囲気が良い店だった。ダンピンと台湾そばと水餃子、オーギョーを食べた。総じて家庭料理っぽい優しい味だった。食べ終わったあと、せっかく京都まできたのに歩かないのはもったいないということで意見が一致して、京大の大きな通りを通って、神宮丸太町の方までぶらぶら歩く。とにかく久しぶりに1日晴れていたので傘も持たず歩けるのが嬉しかった。知らない街を一緒に歩いてくれる人がいることはありがたいなと思う。ひとりで歩いているよりもより鮮やかに景色が記憶に残る。

 

7/19

 12時頃に起きてやる気の出る課題から片付ける。16時ごろから中学卒業ぶりの中学の友達と会う。千里中央に親戚が住んでいるらしい。だいぶ久しぶりに会う友達ということで、気まずくならないか少し不安だったが、中学の頃の感じそのままに話すことができてよかった。全然知らなかったんだけど、院で機械を専攻しながらゲームシナリオや小説、脚本などの物書きを個人でやっていて活躍しているらしい。進路については創作は卒業後も続けていきたいものの、まずは専攻のほうで真面目に就職するかなということで、自分と同じ意見だった。阪急のアフタヌーンティでお茶(グリーンカレーを食べた)した後、千里中央公園の方へ散歩した。千里中央万博公園のエリアでもう5年も生活しているが、そこに住んでいる人々がどんな暮らしをしているのかをよく知らない。つまり、家と学校や、必要な施設を行き来するのみで、地域をみて周ったことがなかった。行きにモノレールの車窓から街を眺めているとき、ちょうどそんなことを思ったばかりだったので、小さい頃からこの辺りでよく遊んでいたという彼女に連れられて、駅周辺を歩くことが出来てよかった。

 3時間ほど喋り倒して解散したあと、やっぱりいつものように寂しい気持ちは戻ってきたが、昨日今日と、ずいぶん素直に話せていたなと思った。言いたい言葉が出てこなかったり、空白を埋めようとしたり、相手に合わせて笑ったり、そういう無理がなかった。

 

7/20

 相変わらず寂しい気持ちはやってくる。家に一人でいる時はずっと、ラジオのアーカイブなどを流している。もうただクセになってしまっているが、人の話し声がしないと落ち込んでしまうからだろう。去年は院試に受かるかどうかの不安で、毎日眠れなかったり泣いていたりするのだと思っていた。けど今年もまた同じようなことをしている。一体何が不安で、何をそんなに恐れているのかと思う。多分一番恐れているのは、いつか寂しい・暗い気持ちに飲まれて、力が沸かなくなって、そのうち今よりたくさん眠ったり、必要最低限のお金を稼いだり、買い食いしたりするだけの毎日になって、死ぬ勇気もなくなってしまって、ただ寿命が尽きるのを待つだけになってしまうんじゃないかということで、今は漠然とそれが一番怖い。

アルバム「朗らかに」

10月30日に「朗らかに」という7曲入りのミニアルバムを出しました!

yunovation.net

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↑素敵なアルバムアートワークは現在多方面で活躍中の落合晴香さん作。

 

○アルバムコンセプト

鍵盤ハーモニカが単なる教育楽器ではなく演奏楽器として使われる時、オーガスタス・パブロをはじめとしてダブで使う人たちが多くいたり、バンド「たま」のような寂しげなサウンドに親和性が高かったりして、哀愁のある仄暗いメロディがよく似合う。一方で私が得意なのはアタックが強く快活な吹き方で、思いつくのも専ら明るくて陽気なメロディばかり、ということに気づいてきた。そこで今回は鍵ハの吹き方、メロディライン、トラックのアレンジ含めて、自分らしい「朗らか」なサウンドにすることを意識しようと思った。

私自身は決して「朗らか」な人間ではなくて、前向きに物事を考えるのも、人前で明るく振る舞うのもあんまり得意ではない。けれどたまに歌詞にしたい言葉やメロディを思いつくと一人でニヤニヤしてテンションが上がるし、DAWの上で曲が形になっていけば、最初の思い通りでなくても「自分こんなのも作れるんだ!」と嬉しくなる。それで、そういう瞬間があるたびにああ、音楽を作るようになってよかったなと思うし、目の前の景色が柔らかくなる感じがする。決して楽しいことばかりではないけど、創作することが「朗らかに」毎日を過ごす力になっていることは確かだし、歌詞のある曲はそういったことについて歌えたらいいな、と思った。

 

○各曲コメント

1. 朗らかに

モノレール彩都線に乗って自宅から万博記念公園に向かう朝がテーマ。

彩都線、ゆるやかな弧を描いてぐるりと公園を周っていくのが好きで、車窓から外を眺めているときにはこの町に来てよかったな~と思う。

歌の部分以外は2年生の時に作ったI’m a sophomore now!をベースにしていて、生音のサンプルなどが加わってさらにカラフルで賑やかな印象になりました。

バンジョーのパートは手で打ち込んだんだけど、かなり頑張って生弾きっぽい感じにしたので聞いてみて!

歌は基本的にメイン+コーラス2本の3部編成(っていうの?)で、コーラスをでかめにして合唱みたくしたのは柔らかく祝祭感のある感じにしたかったのと、歌詞の都合から。

歌詞はいつもだいたいこんなことが言いたい、という文章があって、音数に合わせて言葉を間引きしていかなければいけないんだけど、どの単語も必要不可欠な気がする。悩んだ末コーラスで違う歌詞を歌えば削らなくてすむじゃん!と思い、( )内に示すようにコーラスでメインボーカルと違う歌詞を歌うことに。

空を走る
ゆるやかに 弓形に
はるか遠くから
照らす陽を背に (して)
千里の丘を望む

前触れなく出会うたび
重なるときめきは
見える景色を
揉みほぐし柔らかくして (馴染ませる)

仕方なしに選んできた
そう思ってた (今までの) 全ても
確かに温かい重みをもってこの肩に(この両手に)

頼りなく揺れる今は
根をはり (互いに) 引き寄せあい
紡ぐ音と言葉は
どんな色を目指すことも朗らかに

 

全体的に最後まで勢いを失わずコンパクトな、オープニングにふさわしい曲になったと思います。

 

2.roki store

roki storeとは万博記念公園にあった土産/軽食屋で、レトロでアメリカっぽい外装が好きだったたのにいつの間にか改装され現在はEXPO GOODS STOREなる店に変わってしまった かわいそうに

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 去年の夏にシングルとして出した時とほぼアレンジは変わらず、ミックスで気になっていた部分を改善しました。主に変えたのはベースや鍵盤ハーモニカにかますアンプシュミレーターで、全部liveの内蔵のやつですが、太く締まりのある音になったのではないかと思います!

推進力のあるグルーブを出すためにどのパートをどのくらいずらしたらいいんだろう、というのは毎回悩みどころなんだけど、この曲ではドラム類とベースなどリズム隊はほぼ拍ジャストで刻み、それ以外にはガンガンにスウィングをかけたところめっちゃ良くなった

 

3.constant T

ラッパーが複数人でマイクリレーをしているのに憧れて、うちもそれやりたいな、と思ったのが始まり。

それまで一曲の中でボーカルも鍵盤ハーモニカもやっている曲ってなかったんだけど、今回はどちらもやってみよう、しかもどちらかが副次的になることなく同列に聞こえるようにしよう、という試みをしました。結果、1コーラス目は鍵盤ハーモニカ、2コーラス目は歌でその後は鍵ハとボーカル2本でデュエット、という展開

鍵盤ハーモニカでこういう音色を出すには、こういうADSRにするには、どういう風に息の速さや口の形、タンギングを制御すればよいか、というのが4年目にしてだいぶ掴めてきた。この曲はアタック強め、リリース短めでキツめの音にしたくて、だからタンギングはT寄りで、息を速くするために口内の容積を減らして、ちょっと構えを上げて.....みたいな。

 鍵盤ハーモニカの吹き方について自分なりに気づいてきたことはいっぱいあって、需要はなくともそういう情報がインターネットのどこかに転がっていることは大事なので、また書いていきたい。

ビートに関してはかっこいいヒップホップのを作りたかったんですが(...)、編成はシンプルながらもちろんこれが難しくて、キックを前にずらしたり、後ろにずらしたり、ハイハットにきつめにコンプをかけたり、うわもののアタックを抑えたり、してもなかなか垢抜けずもたつきがとれず。一人前のビートメイカーになるにはまだまだ修行が必要だな、、、という感じです。

 

4.town fair

個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲です。メロディラインに関して言えば自分が今まで作った曲の中でも一番かも。テーマは地域の大きめの公園で毎年秋に開かれるお祭り、で演奏されている曲、です...

名前を挙げるのも恐れ多いけど、大敬愛するケルト&ブルースバンド、ハモニカクリームズさんのような曲が作れたらなと思っていた。

メインの旋律を奏でるハーモニカとフィドルが各々アドリブを加えて自由に演奏しながらもところどころでバチッとユニゾンするのが最高にかっこいい。

そんなハモクリさんに倣ってメロディを2本で演奏することに。最初はピアニカ&鍵盤リコーダーのアンデスでやろうと思ってたんだけど、アンデスのピッチの制御がめちゃくちゃ難しく、断念してヤマハp-37EとスズキのPRO-44HP(音がキンキンするのが特徴、高音域担当)の鍵ハ2本になりました

鍵ハ以外はドラムループにギター、ベース、エレピと再現可能そうなシンプル編成なので是非バンドセットでやりたいな。まあバンドセットを組めるかどうかはアルバムの売り上げ次第で……CD買ってネ…!

 

5.ある程度ある (朗らかに ver.)

昨年出したEPではポップなアレンジにしていただきましたが、今回は家にいる感じというか、よりパーソナルな感じにしたいなと思い、ぐっと音数を減らして、生音中心のアレンジにしました。

ボーカルは今回ピッチコレクトなし、ほぼEQコンプのみの自然派仕上げにこだわったので、せっかくだからピアノも生で録ってみるか、と思い数年ぶりに実家のアップライトピアノの上を開け、マイクを突っ込んで録音してみたがピッチが狂い過ぎていて使い物にならず。ピアノは手打ちで生感を頑張って出しました。

自分の曲でも客演でも、歌もので2番が終わった後なんかに鍵ハのソロを安直に入れがちですね。でもおかげでこういう8~16小節のソロ的メロディを考える筋力が鍛えられてきて、セッションするときなどのアドリブも上手くなった気がする。

 

6.難波ナイトアウト御殿

実家が埼玉で、4年前にこちら(大阪)に引っ越してくるまではほとんど関西圏に足を踏み入れたことがなく、大阪に関しては、賑やかで、下世話で、人情に厚くて...とステレオタイプ!なイメージしか持っていなかった。で、そのころ想像していたような、じゃりン子チエのテツが毎晩繰り出すような、ファンタジーとしての「大阪の夜の繁華街」がテーマの曲。

旋律を奏でる2本の鍵ハは歌謡曲的なアーティキュレーションを意識しました、2本で息を合わせて吹くのが吹奏楽やってた頃みたいで楽しかった。どっちも自分なんだけど。使っているのはヤマハのp-37Eのみで、オクターブで吹いています。

 

7.wannasing

実家のおばあちゃんは料理が得意なんだけど、この前実家に帰った際、ふと「草団子が食べたいな」と思ったらしく、すぐに近所でヨモギを摘んできて、あんこ練って草団子を作って食べていた。それを見て行動力がすげーなと思うと同時に、なんかうちが曲作ってんのと同じだなと思った。

私は音楽が好きだから音楽を作ってるけど、料理をするのも、写真撮るのも、文章書くのも、ラジオやるのも等しくクリエイティブで、自分には到底作れない、思いつかないようなものを喜んで作っている人の姿を日々見られるっていうのはいいなあと思います。そういうみんながそれぞれの形で作っているのっていいね、これからも作っていけるといいね、という歌。

あとはセルフタイトル的な曲にしたくて、本名(ゆうきっていうんですけど)やTwitterのIDである"wannasing"を織り込んだ歌詞に。

just sing what you wanna sing, 透明な朝に
戸を開け踏み出す 勇気さえあれば
just do what you wanna do, 絶対にできる
光が差し込む 一瞬を信じ進めれば

祝祭感があってエンディングにふさわしい感じの曲になったんじゃないかなと思います。

Live Sounds Keys Sample from Retro Piano Series | Splice Sounds

ピアノリフはspliceのこちらのサンプルから。 このサンプルとボーカルで掛け合いがしたいな、というところから作り始めた。

 

○リリースしてからのこと

CDで、ストリーミングで、bandcampで朗らかにを聴いてくださったみなさま、ありがとうございます。

中学・高校の友達が聴いてくれたり、CDを買ってくれたりして、久しぶりに連絡をくれたのが嬉しかった。研究室やバイト先の人たちが聴いたよって声をかけてくれたのも嬉しかった。お母さんお父さんはやっぱりmp3でなくCDを持っていた方が聴きやすい。まとまった音源を作って、CDに焼いたことで身の回りの人たちに、きちんと「こういうことをやってるんです」と伝えることができてよかったなと思う。

ただ、レーベルを介して出したわけではなくて、全国流通したわけでもなくて、プロモーションにもほぼお金をかけていないので、今まで知っててくれた方々には届いたけど、今回のリリースで聴いてくれる人が広がったというわけではない感じ。

曲が完成したあとの、作品としてパッケージし売り込む部分にもうちょっと力を入れた方がよかったのかなと思うけど、自分から人に声をかけて協力してもらう、というのが苦手でほとんどできなかった今までと比べたら、落合さん・おしこまん!氏らに依頼して、話し合いを重ねて素敵なアートワーク、特設サイトを作っていただいただけでも今回は十分で、まあようやったんとちゃうの、とも思う。

そこの部分をもう少し頑張るというのは、これから先リリースする際の課題にすればいいかな。部屋にある大量の在庫を捌ききるまで音楽をやめるわけにはいかないので!

 

最後に、発売するにあたってアドバイスをくださり、お手伝いいただいたパーフェクトミュージックの天野さん、アートワークすべてを制作してくださった落合晴香さん、特設サイトを作ってくださったおしこまん!さんにこの場を借りて御礼を申し上げます、ありがとうございました。