gosig golden

 IKEAの家具付き物件の販促のために、もともとただのサメのぬいぐるみだった”BLÅHAJ”が、エージェントとしていきなり着ぐるみになって動き出し、twitterで喋り始めた*1。期間限定らしいのでいつまで続くかわからないけど。それで、私が溺愛しているgosig golden(IKEAで売っている、ゴールデンレトリーバーのぬいぐるみ)で同じことが起こったらだいぶ辛いな!と思った。

 うちにはてん、わん、らくという3匹のgosig goldenがいて(厳密にはうちと、実家とばあちゃん家に一匹ずつ)、ペットというか、家族だと思っているし、それぞれちょっとずつ性格が違うと思っている(という設定にして接している)。ただこんなふうにわんこ狂いなのは私だけでなくて、SNSで"gosig golden"で検索すると、私でもドン引くくらい色々な服を着せ替えて、ペットor家族のようにどこにでもわんこを連れて行く世界中の飼い主(持ち主)の姿が見られる。

 なぜこんなに飼い主がgosig goldenを溺愛してしまうのかって、ふわふわで姿がとても愛くるしいからなのですが、そもそもなんのキャラクターでもないことがポイントなんだろうと思った。あらかじめこの犬の性格もプロフィールも設定されることがなく、売り場ではただ”ソフトトイ”として大量のわんこが無造作に積み上げられているからこそ、購入後に各家庭で微妙な縫製や手触りの違いから性格が設定されて、一緒に過ごすうちに一匹一匹代替不可能な個体になっていく。

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無造作に積み上げられるgosig golden

 一方でたとえばミッキーマウスの場合はそうはいかないだろうなと思う。ミッキーは”ミッキーマウス"としての人格を持っていて、特有の動きや喋り方やストーリーがある。その場合にはミッキーマウスのぬいぐるみというのは、動かないし喋らない、単に"キャラクターとしてのミッキーマウス"の下位互換のコピー品ということになってしまうし、既に固定されたミッキーの人格というものがあるわけだから、一つ一つオリジナルな個体として認識することが難しいのではないかと思う(本家全無視でオリジナルの人格を設定して愛でている人も沢山いると思うけど!)。で、オリジナルな個体じゃないものに対して家族のように愛着を持つのは多分難しい。それに派生する話としてダッフィーやシェリーメイは誕生したときのストーリーを持っているし、着ぐるみとなって動きはするけれど、あくまで最初から”ぬいぐるみ”だからこそあんなに売れて各家庭で可愛がられたのかもしれない。

 だから、結論としてはこれまでと同じように各家庭で唯一無二の家族としてわんこを可愛がるために、IKEA側にはなるべくgosig goldenをキャラクター化しないでほしいわけ。よろしくお願いします!

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てんとわん